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昨日の新幹線での誘拐事件疑惑、私もことの顛末を記しました。

女児誘拐の疑いで通報、そして真実へ。|劔樹人 @tsurugimikito|note(ノート) note.mu/tsurugimikito/…
東京に帰る日、夕方に娘が眠そうになったので、新幹線で寝てくれるのが一番いいと、急遽予定を変更、急いで帰ることにした。

行きに往復で切符を買っていたので、長野始発ですぐ乗れる「あさま」の自由席に乗った。

利用する人はよくご存知かと思うが、正直、長野新幹線はだいたいそこまで混まない。

今回もお盆の終わりとはいえ、長野駅の時点では全く混んでいなかった。

しかし、高崎を過ぎる頃には満席、デッキにも多くの人がいた。

そうこうしていると、ずっと静かに寝ていた娘が起きてしまった。初めはぼんやりと私の膝の上に寝転んだりしていたが、次第に愚図りだしたのである。

わが娘のイヤイヤ期は、1歳過ぎから何度も波が来てはひいているような状態。
変化が早いので、親もどんどん対策をアップデートしていかなくてはならない。

最近もその波がまた来ているのだが、2歳半は最も恐ろしいとも言われている時期である。

自我ははっきりしてきていて、力も強くなる。
以前なら、「ほら、お外見て!」なんてごまかせていたことにも乗ってくれなくなっている。しかしまだ言葉は拙く、自分の意志を伝えられないフラストレーションを抱えた2歳半…。

その理不尽さといったらない。
家でも泣き叫びながら、「パパここいてよー!!」と、やたら狭いドアの隙間に立たされたり(動くとさらに火がついたように暴れる)、怒りながらいらないといって投げつけそうになった食べ物を救出し、もったいなあと思って一口食べると、「パパ食べる違う!!!」ともんどりうって暴れたり。くしゃみしただけで怒る、爪を切っていたら怒る、あげく、寝言でまで「パパちがう…」

とんだ鬼軍曹だ。

どこに地雷があるかわからない。わからないが、途方もなくどうでもいいところにそれはあり、避けようがない。

ひとたび火がついたら、声をかけても怒る、気をそらそうとしても怒る、ほっておいても怒るので、様子を見ながら、「そうだね、嫌だったね」と気持ちを代弁し、付かず離れず根気強く向き合い、落ち着くのを待つしかない。

ここ最近はそうやってやり過ごしている。

落ち着くのが早いときもあれば、時間がかかる時もある。これは、同じ経験のある親ならわかってもらえるはずだ。



その時点ではまだ泣いてはいなかったのだが、次第に声も激しくなってきていたので、私は、これはデッキに行った方がいいなと思った。

新幹線で娘が泣いてデッキに行くのも初めてではない。仙台東京間、ずっとデッキであやしていた経験もある。
妻とふたりで、交代でデッキで相手をしたこともある。

ただ、今日はデッキも混んでいる。

これはどこにいても迷惑だな…私は、焦りからじっとりとしてきた額の汗を拭った。

すると、それが何故か娘の地雷を踏み抜いてしまった。
「パパちがう!!おでこちがうよ!!!おでこちがうよ!!!」

なんでおでこの汗を拭いたらこんなに怒るのか、理不尽すぎて全く理解出来ないが、とにかく娘はついに泣きわめきだしたのである。

その時、後ろの席のおっさんが怒鳴りつけてきた。

「うるさい!デッキ行けよ!」

育児に不寛容な日本社会の象徴こと、公共の場で子どもが泣くと怒る中高年の登場である。

世の育児をする親たちは、度々辛い思いをさせられている。
その一方で彼らは、自分は子どもに迷惑をかけられている被害者だとも思っている。
だから保育園すら作れない。

それはさておき、もちろんうるさくて迷惑なのは胃に穴が空くほど申し訳ないと思ってるし、そもそもデッキは行くつもりだったし、ことを荒立てる気もないので、貴重品と娘を抱き上げて、さっさとデッキに移動した。しかし、抱き上げられたことで娘の怒りのボルテージはさらに上がってしまった。

「ギャアーーー!!!!」

釣りあげた大魚のようにピチピチ活きよく暴れる娘を両手で泳がせつつ、デッキへ行くと、デッキは思った以上に混んでいた。

響き渡り、反響する泣き声。ま、人が多いので反響はそこそこだったと思うが(人がいると音は吸われます)。

さすがに視線が辛かった。
が、私も娘も決して悪いことはしていない。ここでいつものようにじっくり対峙して耐えるしかない。

娘は、私がだっこしてやろうとすると、触るなと怒った。

「パパ違う!パパやーだ!」

そして私の足を掴みながら、

「パパすわってよー!!」

「パパ違う!パパ立ってよ!!」

どうしろと言うのよ!

しかしこれもいつものことなので、「そうか、そうだね」と言いながら立ったり座ったりして付き合っていた。

そうこうしていると、次の大宮で人がドッと降りて、デッキは私たちとひとりの男性だけになっていた。

結果、混んでいるデッキにいた時間は、そう長くなかったと思う。

空いたのでちょっと安心して、娘との問答を続けていると、次の上野で扉が開き、警察官が3、4人入ってきた。

「すみません、泣いてる女の子を連れているという男性はあなたですか?」

とっさに、もしかして虐待を疑われたかな?と思った。

しかし、警察はこう続けた。

「誘拐事件の可能性と通報があったので」

マジか!
思ったより事件のスケールが大きいことに驚いたが、私はここ数年こそめっきりないものの、自転車によく乗っていた頃は散々職質をされ、ま、いわば慣れたものである。

「この子はうちの子で、証明も出来ますし、どうぞ調べてください」

私は自分の身分証を手渡した。
「奥様はどちらですか」
「ふたりで実家に帰っていたので、妻は東京です」

その間、警察官は、「男性と女の子がひとり、母親はいません」
のような内容を無線で連絡している。

その母親、母親、と強調されるやりとりを聞いていて、ああ、そういう内容の通報だったのだなと分かった。

男性と女の子だから怪しまれたのだ。

「お子様の身分証はありますか」

「座っていた席に、保険証があります」

「では、お子様は見てますので、取ってきてください」

私は、ひとりの警官に連れられながら、座っていた席まで、保険証を取りにいった。

乗客の目線が辛い。

なんせ、新幹線はこのせいで上野駅で止められているのだ。
幸い、さっき怒鳴りつけてきた後ろの席のおっさんはもういなかった。

デッキに戻ると、警官たちにあやされながら、娘はまた大泣きしていた。

私が離れたこのたった数十秒かもしれないが、娘の感じた心細さを思うと、胸がぐっと締め付けらる思いだった。

抱き上げると、娘もギュッとしてきた。

警官が身分証をメモしたりしているとき、ふと見ると、デッキにずっといた男性が苦笑しているのがわかった。

この方は、ずっと見ていて、私たちが親子であることは当然のように分かっていたのだろう。それがこんな事態になっているので、思わず笑ってしまったのだ。

「ほんとに、すみません色々」

私が謝ると、男性は「いやいや、子どもが泣くくのは仕方ないですよねー」と言った。



そうこうしていると、今度はデッキの近くの席の男性が、立ち上がって警察に食ってかかった。

「なあ、なんでこんなことで電車まで止めてるんだよ!!子どもが泣くなんて当たり前じゃないかよ!」

警官はこう言い返した。

「重大事件の疑いがあるという通報だったんです。こちらも確認するまではどうすることもできませんから!」

「だったら乗って続きをやれよ!?もう身分証も見てるじゃねえか!!すぐ終点なのに、何を調べるんだよ!?ここで止める必要あるか?なんでも縦割りで融通が効かねえな!!」

私は、いたたまれなくなってその男性に声をかけた。

「すみません、私たちのせいで」

「いいんだよ。子どもが泣くのは当たり前なんだから。俺は警察のやり方が悪いって言ってるの」

男性は、警察には厳しいが私には優しかった。



それで警察もさすがにちょっと話し合って、私が逃亡の心配なし、ということで、責任者っぽい方が1人乗り込み、電車は動き出した。
遅れは5分くらいだっただろうか。

そんな賑々しい状況だったので、娘はすっかり泣き止み、じっと私にしがみついていた。

私は東京駅までの数分、正直に状況を説明した。
駅に着き、ホームに降りてからも取り調べは続いた。
最終的に、確認のため妻の犬山に電話をかけさせられることになった。
さらに、

「じゃあ、お母さんの声を娘さんに聞かせて、話をさせてください」

と言われ、娘が電話を代わったが、ムニャムニャ何か言っただけで証拠になるものなのかよく分からなかった。

「すいません。まだうまく喋れないので…」

最後に、iPhoneに入っている、娘との写真をズラーっと見せて、ようやく「じゃあ、大丈夫ですね」と解放してもらえた。

警官が帰った後、駅員さんにも状況を一通り説明し、ようやく全てが終わった。

その間、娘はベビーカーに乗っておとなしくしていた。

しかし、私の持っていたコーヒーの空のプラカップ、これを駅員さんが親切で、「じゃあ、これは捨てておきますので」と持って行ってくれたら、それがまた娘の地雷だった。

「パパのー!!パパのー!!返してー!!」
と泣き叫ぶ娘をベビーカーから出して抱きかかえ、「お願い…また通報されるからやめて(切実に)」と言いながら、タクシーに飛び乗って家路に着いたのだった。



…と、まあ、これが私が体験しただいたいの顛末である。

ひとつ間違い無いのは、通報した人が何を思って怪しいと思い、通報にまで至ったかは、私にはわからない。

ただ、この一連の出来事に、多面的に色々な問題を感じられたから、多くの人がネット上で話題にして、議論してくれたのだと思う。

まず、育児の男女差問題。これが母親と子どもだったら、通報まで至ったのかということ。

これは先に言ったように、警察官の話している内容、そして取り調べの仕方から、「男性がひとりで子どもをつれて新幹線に乗っているという不自然さ」みたいなものがビンビンに感じられた。

確かに、男性がふたりで小さな子と新幹線に乗ってるって珍しいのかもしれない。母親とふたりはよく見る。

何もよく読まずに、「慣れないことをするからこうなったんだ」というコメントがあった。

申し訳ないが、私はふたりで新幹線に乗ることには慣れていた。
ただ、もちろんそんなのは他人には知ったこっちゃないわけで。逆に、泣き喚く子どもを相手に、慣れすぎて全く動じてない様子が、育児をよく知らない人には不自然に思われたのかもしれない。
でも、これも、イヤイヤ期の経験がある親には、わかるー!と思ってもらえるはずだ。

とにかく、男性の子連れを違和感を伴った目で見る人はまだまだ世の中に沢山いる。
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@tsurugimikito お疲れ様でございました。私も度々、子供と親の二人で新幹線に乗りましたが。通報がなかったのは母親と幼児だったからかもしれません。在来線でも新幹線でもバスでも子供はぐずりますよね。
しかし警察も、新幹線車両なら個室もあるのに…。なぜデッキで、駅で車両を止めて取り調べなんでしょうね。
ちょっと前に、落合福嗣さんも娘と公園で遊んでいただけで通報されたって呟いてたな・・こんなのおかしいでしょ twitter.com/tsurugimikito/…
@tsurugimikito 私は上の子が1歳の時、夜泣きが酷くて虐待ではと通報され、警察が夜中の2時に家にヅカヅカと入ってきたことがあります。やっと落ち着き寝たところに。ショックでしたね〜。 今となってはネタですがw
@tsurugimikito こういうのは難しいですよね〜。
ちょっとでも虐待の疑いがあれば通報を!って行政はアピールしてますもんね〜。それを思えば通報者は正しいことをしたのかもしれない……。
通報者も警察も警察を怒る人もみんな正義感でやってる。
災難でしたねとしか言えないのかな。
@tsurugimikito パパちがうー!という言葉を、知らない人に連れ去られた娘さんのSOSだと勘違いした…
ならば、まだ救いのある話ですね。

兄の子供が頭打って救急車呼んだら、やはり警察もきて色々事情聴取されました。物騒な世の中だから通報や取調べもそんなに珍しい時代ではなくなるのかも。
大変お疲れ様でした。
親に向かってイヤイヤやってる時に泣くのは、むしろ安心してるから。うちの真ん中が公園でほんの一瞬目を離した隙に知らんオッサンに抱きかかえられて連れ去られそうになった時は、うちの子、声も出せずに固まってましたもの。 twitter.com/tsurugimikito/…
@tsurugimikito @shiitsubu いやー、最後まで読んでしまいました。
ウチはあまり激しくなかったからなあ。

パパ大好きだから自我の目覚めとともに自分の思い通りになって欲しいんでしょうね。情熱的な娘ちゃん。

色々考えさせられる、よか内容。
@tsurugimikito @mikimiki060606 拝見しました。イヤイヤ期、お父さんも泣きたかったでしょうに。本当にお疲れ様でした。読んでいてこちらも緊迫した雰囲気や、お子さんの無茶ぶりに耐える感じが伝わり、辛かったろうなと感じました。
新幹線で子どもがぐずったとき、どうにも身動きがとれないときの、周囲への申し訳なさと、どうすりゃいいんだという途方に暮れる感じと、子どものイヤイヤ期の描写のリアルさとにおいて、このブログをブンブン頷きながら読みました。 twitter.com/tsurugimikito/…
@tsurugimikito 私はこういうことが起こるのが
分かっていたので、子供が
少し大きくなるまでは
遠出はしませんでした。
@tsurugimikito @l_epuise ひとまず「うるさい!デッキ行けよ!」おじさんが一番ムカつくな。
@tsurugimikito お父様お疲れさまでした。パパが子供と2人だけで新幹線に乗ることに違和感を抱かれるなんて、まだまだ日本遅れてるなって思いました。怒鳴りつけてきたオッサンの存在も悲しいです。
父子二人きりでいるだけで過度の疑いをもつのは、イクメンパパが推奨されてる今の世の中に逆行してるよね。家事育児の面で旦那さんに不満がある女性に読んでいただき、一緒に声を上げてほしい記事です。 twitter.com/tsurugimikito/…
@tsurugimikito 4児の父として、まさに今4番めがイヤイヤ期まっさかりです。よくわかります、子供が泣き出したとき周囲の目を気にするの。
うちも4番目となるともう慣れたもんで、放ったらかしが多いんですが傍から見たら逆に育児慣れしてないって思われてるのかな。
災難でしたね。だけど、あなたの今後に幸あれ
泣いた。
イヤイヤ期絶頂の子に怒らないとこも、理不尽な質問してくる警察官にも怒らないとこも、尊敬する。このパパさん本当に素敵😭twitter.com/tsurugimikito/…P
    • 1: いきぬき中の名無しさん 2019年08月21日 10:20 ID:I60LE5e.0
      自分でコントロール出来ないガキを公共交通機関に乗せるな

    • 2: なるほどな名無しさん 2019年08月25日 15:22 ID:C6zIeeT40
      本当に日本は時代逆行するのに関してはプロだなと思います

なんかコメント書いていってくれると嬉しい(´・ω・`)
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